ケアマネの危機~介護難民増加は目の前まで来ていた~
子育て系ブログをここまで書いてきましたが、子育て系ブログなのであえて書きたい。
ここを読んでいただいている方の両親は、今60~70代ぐらいが主ではないだろうか。
介護なんてまだ先の話。そんな気持ちもわからなくもない。
しかし、今介護業界、特にケアマネージャー(介護支援相談員 以下:ケアマネ)が大きく変わる転換期にきているのだ。
今ここを読んでいるあなたの両親達が介護を受ける頃に、苦労する可能性が高くなっている。
これから当事者になりえるだろうからこそ知ってほしい問題なのです。
ケアマネージャーとは
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う、介護保険に関するスペシャリストです。
https://www.u-can.co.jp/%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%8D/column/column01.htmlより引用
わかりやすくざくっと言うと、介護保険サービスを使うには、ケアマネがケアプランを作成しなければなりません。
ケアプランに沿って、各事業所がサービスを提供するのです。
どこにケアマネがいるのか?
細かい話をするときりがないので、今回は問題が発生している居宅系ケアマネについて話をします。
ケアマネがいるのは、居宅介護支援事業所というところです。
一般の方にはなじみが薄い言葉かと思いますが、上記の言葉であればケアマネがいます。
何が問題になるのか
この、居宅介護支援事業所には管理者をおく必要があるのですが、その管理者の要件が
2021年からハードルがあがるのです。
管理者になるには、『主任介護支援専門員』が必要になりました。
?????ですよね。
この主任ケアマネの資格ですが、ケアマネとして5年の実務経験と70時間もの講習が必要になるのです。
そして、費用もバラバラですが約6万円程度かかるのです。
ケアマネそのものになるための受験資格も厳しくなり、受験者数が激減しています。
分母も減ったうえに、さらに上の資格にはハードルが高い。
そして、その主任ケアマネをとったからと言って、待遇がさして良くなるわけでもなく、むしろ責任が増えてしんどくなるというのが実情なのです。
つまりは・・・
主任ケアマネを取るメリットがないので、主任ケアマネが足りません。
その後おこることは。
そう、ケアマネがいる介護支援事業所が閉鎖になっていくのです。
そして、それで何が困るのか。
最初に言った部分を思い出して下さい。
「介護保険サービスを使うには、ケアマネがケアプランを作成しなければなりません。」
つまり、サービスを使うためのケアマネがいないのです。
するとどうなるか、介護難民の発生しやすい温床ができあがってしまうのです。
けっこう近い介護保険崩壊
介護保険の国の負担が増えすぎて、介護離職をなくそうと言っていますが、サービスを使うハードルを上げて介護離職推進といわんばかりの状況が今の制度です。
親身になってバンバンサービスを入れるケアマネを減らしたいというのが国の本音なのではと、勘ぐってしまいます。
ケアマネ業務を一部AIで行うという話がまことしやかにささやかれています。
中小のケアマネ事業所をつぶす ⇒ 大規模事業所に集約する ⇒ 大規模事業所に補助金を付けて、AIにより効率化、サービスをスリム化 ⇒ 介護保険の支出を抑える
勘のいい方ならお分かりですね。
介護保険の肝、希望するサービスを契約して使用する
これが、無理になりますね。
選択肢は、限りなく無くなるでしょう。
あとは、誰が介護するのか、そうです家族しかいません。
家族のいない在宅介護は、相当大変です。
さっき書いた流れが確立されると、きめ細やかに来てくれるサービスは無くなっていきます。
そんなサービスはお金がかかりますからね。
マスコミも理解していない
マスコミの介護についての報道を見ていると理解していないなあと思うのが正直なところです。
上っ面だけというか、役所の発表を舐めるだけの様な報道です。
当事者じゃないから無理もありませんが。
介護難民を発生させるトリガーになりうる、主任ケアマネ問題。
少しでも理解いただければ幸いです。
反響があれば、また書いていきたいと思います。
以上、ケアマネの危機~介護難民増加は目の前まで来ていた~でした。